突然奪われた母の命
2021年の冬、静岡県内で暮らすTさん(70代・女性)が、散歩中に横断歩道上で車にはねられ亡くなるという悲劇が起きました。知らせを受け、遠方から駆けつけた娘様は、悲しみに打ちひしがれます。
「父と二人で穏やかに暮らしていた母の命が、一瞬にして奪われてしまいました。事故の状況を聞いても、信じることができませんでした」
Tさんは病院に搬送されましたが、8日後に死亡。ご遺族は、あまりに突然の別れに言葉もありませんでした。
冷たい保険会社の対応と、示されない賠償額
事故後、ご遺族は相手方の保険会社と連絡を取りましたが、その対応は冷たいものでした。
「非常に感じが悪く、こちらの気持ちを逆なでするような態度でした。とても話ができる状態ではなく、連絡を取るのをやめてしまいました」
大切な家族を亡くしたにもかかわらず、加害者側からは誠意ある対応も、具体的な賠償金の提示も一切ない状況。ご遺族は、保険会社から提示される前に示談交渉をはじめるしかないと決意しました。
「母の命がこんなにも軽く扱われるのかと、悔しさと怒りでいっぱいでした」
弁護士と挑んだ裁判、5000万円の和解金で解決
どうしていいか分からず、娘様は弁護士にすべてを託すことにしました。
「弁護士さんはすぐに裁判を起こしてくださったのですが、第一審の判決は到底受け入れられる内容ではありませんでした。このままでは終われないと、先生と相談して控訴することにしました」
弁護士はご遺族の無念を晴らすため、控訴審に全力で臨みました。その結果、裁判所の心証を覆し、事態は大きく動きます。
「高裁で第一審の判決が見直され、最終的に和解金5000万円で解決することができたのです。保険会社からの提示がなかった状況から、ここまで正当な賠償額を認めてもらえたのは、諦めずに戦ってくれた弁護士さんのおかげです」
適正な賠償を勝ち取るために
「もし、私たちだけで交渉していたら、きっと泣き寝入りしていたと思います。保険会社や裁判所の判断がすべて正しいわけではありません。死亡事故という最も重い結果に対して、納得できない賠償額や対応をされたら、絶対に諦めないでください。弁護士という専門家を頼ることで、道は開けます。適正な賠償を受けることは、残された家族の当然の権利だと思います」