突然の鉄板落下事故と失われた指の機能
2020年の冬、愛知県内の工場で働いていたKさん(60代・男性)は、入社から日が浅く、不慣れな機械の操作を強いられました。
「社長から『見様見真似でやってくれ』と無茶な指示をされたんです。クレーンで鉄板を持ち上げようとした時、突然それが落下してきて…」
この事故でKさんは左手首と親指を骨折。後遺障害により左手の親指は動かなくなり、事故を理由に会社を退職せざるを得なくなりました。
提示ゼロ…会社への不信と金銭的な不安
Kさんは事故後、後遺障害10級の認定を受け、労災保険から一時金などが支給されました。しかし、事故の原因を作った会社側からは、損害賠償に関する具体的な提示や謝罪の言葉すらなかったのです。
「労災からの給付はありましたが、それだけでは到底足りません。指が不自由になったことで仕事も限られ、この先の生活はどうなるのかと、途方に暮れました」
会社から補償の提示がないままでは泣き寝入りするしかないのかと、Kさんは深い絶望感に苛まれました。
弁護士と闘った裁判、和解金600万円で解決
「このままではいけない」と、Kさんは弁護士に相談し、会社に対して損害賠償を求めることを決意。弁護士はすぐに会社側と交渉を開始しましたが、話がまとまらず、裁判に踏み切ることになりました。
「裁判では、会社側からこちらの過失を厳しく追及されるなど、精神的にも辛い時期が続きました。しかし、すべて弁護士さんが盾となって交渉を進めてくれました」
約1年にわたる裁判の結果、最終的に会社がKさんへ和解金600万円を支払うことで和解が成立。「提示がゼロだったことを考えると、弁護士さんに依頼して本当に良かった」とKさんは語ります。
同じ状況で悩んでいる方へのメッセージ
「労災事故に遭っても、会社から十分な補償を受けられるとは限りません。私のように、何の提示もないケースもあると思います。しかし、そこで諦めないでください。弁護士に相談すれば、会社に対して正当な賠償を求めることができます。一人で悩まず、まずは専門家に話を聞いてもらうことが、解決への第一歩だと思います」