突然の衝突事故と失われた日常
2021年の初夏ごろ、埼玉県内でサイクリングロードを自転車で走行中だったSさん(50代・男性)は、突然右折してきた対向車にはねられました。
「相手は合図もなしに突っ込んできました。当初は私にも過失があると言われましたが、ドライブレコーダーの映像のおかげで、最終的に相手の100%過失が認められました」
この事故でSさんは右足下肢コンパートメント症候群の重傷を負い、長期の入院と約10ヶ月にわたる治療を強いられることになりました。
提示額約177万円、逸失利益はゼロ
長い治療を経て後遺障害14級9号の認定を受けたSさん。しかし、相手方保険会社から届いた示談提示書を見て、その内容に言葉を失いました。
「提示された金額は手取りで約177万円。後遺症が残ったというのに、将来の収入減に対する補償である『逸失利益』が一切計算されていなかったんです。これでは示談できないと強く思いました」
提示額が妥当なのか、増額の余地はないのか。Sさんは専門家への相談を決意します。
弁護士交渉で慰謝料満額!約120万円の増額に成功
自身の自動車保険に付帯していた弁護士特約を使い、Sさんは弁護士に依頼。弁護士が調査したところ、逸失利益が計上されなかった意外な原因が判明します。
「以前、保険会社の担当者に『仕事に支障はない』と伝えてしまっていたんです。その一言が原因で、逸失利益の請求が非常に難しくなっていると説明を受けました」
難しい状況ではありましたが、弁護士は方針を切り替え、逸失利益の代わりに慰謝料の増額に注力。裁判基準の満額を支払うよう、粘り強く交渉を続けました。
「その結果、当初の提示額から約120万円も増額し、最終的に296万円を超える金額で解決することができました。逸失利益はなくても、慰謝料が最大限認められたことで、ようやく納得できました」
示談する前に、まずは専門家へ
「素人知識で保険会社と話すのは本当に危険だと痛感しました。もし弁護士さんに相談していなければ、177万円のままサインしていたかもしれません。提示額に疑問を持ったら、判を押す前に必ず弁護士に相談してください。特約があれば費用もかからないので、使わない手はないと思います」