凍結路でのスリップ事故と残った後遺症
ある年の冬、Yさん(50代・男性)は仕事中に自損事故を起こしてしまいます。
「路面が凍結していて、スリップしてトンネルの壁に激突してしまったんです。腰と首を痛め、17日間入院しました」
治療の甲斐なくYさんの体には痛みが残り、後遺障害12級が認定されました。公務員として働くYさんですが、事故の影響は仕事にも及びます。
「以前のように現場仕事ができなくなり、業務内容が制限されてしまいました。体に痛みを抱えながらの仕事は辛いものがありました」
「約款どおり」を盾にした保険会社の低い提示
Yさんはご自身が加入していた人身傷害保険に保険金を請求。しかし、その提示額に言葉を失います。
「後遺障害慰謝料として提示されたのは100万円でした。保険会社の担当者は『人身傷害保険の約款ではこれが限度額です』と繰り返すばかり。さらに、減収がないことを理由に、逸失利益は0円とされてしまったのです」
体に後遺症が残り、仕事にも影響が出ているのに、この補償額はあまりに低いのではないか。Yさんは強い憤りを感じました。
弁護士の介入で逸失利益を獲得、486万円の大幅増額
このままではいけないと、Yさんは弁護士に相談。提示額の妥当性と増額の可能性について尋ねました。
「弁護士さんは、減収がないのは私の努力と職場の配慮によるもので、それを理由に逸失利益を0円とするのはおかしいと指摘してくれました。そして、その点を粘り強く保険会社に主張してくれたのです」
弁護士はそんぽADR(裁判外紛争解決機関)も利用しながら交渉を進め、最終的に逸失利益を認めさせることに成功しました。
「当初100万円だった提示額が、最終的には5,865,352円になりました。実に486万円もの増額です。専門家の交渉力にただただ驚きましたし、感謝しかありません」
保険会社の提示額に疑問を感じたら
「保険会社から提示された金額を、そのまま受け入れてはいけないと実感しました。特に人身傷害保険は、交渉次第で結果が大きく変わるようです。私のように『約款で決まっている』と言われても、すぐに諦めないでください。まずは弁護士に相談し、その金額が本当に正しいのかを確認することが非常に重要だと思います」