記憶を失った正面衝突事故
ある年の秋、運送業の仕事で軽トラックを運転していたNさん(40代・男性)は、兵庫県内の一般道で、人生を揺るがす大事故に遭いました。
「対向車線を走っていたトラックが、センターラインを越えて突っ込んできました。そこからの記憶がなく、次に気がついた時には病院のベッドの上でした」
事故の衝撃で脳震盪を起こし、右寛骨臼骨折という重傷を負ったNさん。事故直前の記憶すらなく、ただ自分が大変な事態に巻き込まれたことだけを悟りました。
「医師からは、人工股関節を入れる手術が必要になると説明を受けました。始めたばかりの仕事も、これからの生活も、すべてが真っ白になりました」
治療費打ち切りという非情な通告
長期の入院と治療を余儀なくされたNさん。懸命にリハビリを続けましたが、事故から約2年が経過した頃、相手方の保険会社から非情な通告を受けます。
「相手の保険会社が弁護士を立ててきて、『治療費の支払いを打ち切る』と言われたんです。主治医はまだ治療が必要だと言ってくれているのに、一方的に『症状固定だ』と決めつけられて。本当に悔しくて、怒りがこみ上げてきました」
治療費だけでなく休業補償も打ち切られ、Nさんは自費での治療を続けざるを得ない状況に。体の痛みと将来への不安で、精神的に追い詰められていきました。
弁護士への依頼と後遺障害10級の認定
「このままでは泣き寝入りになってしまう。そう思い、自分の自動車保険についていた弁護士特約を使って、専門家に相談することにしました」
依頼を受けた弁護士は、まず後遺障害の申請手続きを進めました。その後、Nさんの症状は「後遺障害等級10級11号」に認定されます。
「適切な等級が認められ、本当にほっとしました。自分一人では、どう申請していいかも分からなかったと思います。保険会社とのやり取りもすべてお任せできたので、治療に専念することができました」
最終的に、Nさんは人工股関節の手術を受け、リハビリを続けながら社会復帰を目指すことになりました。
同じ状況で悩んでいる方へのメッセージ
「大事故に遭うと、体の痛みだけでなく、保険会社との交渉など精神的な負担も本当に大きいです。特に相手が弁護士を立ててくると、個人で対等に話すのはまず無理だと感じました。もし保険会社の対応に少しでも疑問を感じたら、絶対に一人で抱え込まず、弁護士さんに相談するべきです。私は弁護士特約があったので、費用を気にすることなく依頼できました」