突然の追突事故と顔に残った傷跡
ある年の冬、福岡県内で帰宅途中に歩いていたSさん(40代・男性)は、後方から来た自動車にはねられるという不慮の事故に遭いました。
「救急車で運ばれ、額と後頭部を縫うほどの大きな怪我でした。幸い命に別状はありませんでしたが、退院後も長く通院が続き、顔には消えない傷跡が残ってしまいました」
事故による身体的な苦痛に加え、Sさんは経済的な不安にも直面することになります。
逸失利益を認めない保険会社と、低すぎる賠償提示
Sさんの後遺障害は、顔の傷跡が12級14号と認定されました。しかし、相手方の保険会社から提示された示談金額は約320万円。この金額には、Sさんが最も懸念していた点が全く考慮されていませんでした。
「私は営業職なので、顔の印象は非常に重要です。事故後、傷跡のせいで仕事に支障が出ていることを訴えたのですが、保険会社は『逸失利益は認められない』の一点張りでした。将来への不安を全く無視した提示額を見て、愕然としました。このままでは泣き寝入りするしかないのかと、本当に悔しかったです」
弁護士の交渉で逸失利益を獲得、賠償金は650万円へ
このままではいけないと、Sさんは弁護士に相談。父親の保険に付帯していた弁護士特約を利用し、示談交渉を依頼しました。弁護士は、Sさんの職業や業務内容を詳細にヒアリングし、顔の醜状が労働能力に与える影響を具体的に主張。保険会社との交渉は決裂し、紛争処理センターでの和解あっ旋手続きに移行しました。
「弁護士さんは、営業成績の資料なども用いて、私の主張を論理的に証明してくれました。その結果、保険会社が頑なに認めなかった逸失利益が認められ、最終的に賠償金は約650万円で和解することができたんです。当初の提示額から倍以上になりました」
専門家の視点が正当な賠償額への道を開く
「もしあの時、保険会社の言い分を鵜呑みにして示談していたらと思うと、ぞっとします。当初の提示額では、将来の不安を到底埋め合わせることはできませんでした。弁護士特約のおかげで費用を気にすることなく、専門家にとことん戦ってもらえたのが大きかったです。保険会社の提示額に納得がいかない場合は、諦める前に必ず弁護士に相談するべきだと思います」