横断歩道での衝突事故と後遺障害認定
ある年の冬、主婦のSさん(60代)は、神奈川県内で横断歩道を歩行中に右折車にはねられ、腰椎圧迫骨折などの大怪我を負いました。半年間の治療の末、後遺障害11級が認定されます。
インタビューに答えてくれたご主人は、当時の心境をこう語ります。
「妻が大変な目に遭い、後遺症まで残ってしまった。当然、相応の補償がされるものと思っていました」
賠償金ゼロ主張と、まさかの「債務不存在確認訴訟」
ところが、相手方保険会社の対応はご主人の想定をはるかに超えるものでした。
「妻に持病があったことを理由に、保険会社は『賠償金はゼロだ』と主張してきたのです。具体的な賠償額が提示されないまま、いきなり支払いを拒否されました。私たちは紛争処理センターに申し立て、約645万円の和解案が提示されたのですが、保険会社はそれすらも拒否。挙句の果てに、『支払い義務はない』ことを確認するための裁判まで起こしてきたのです」
被害者でありながら、被告として裁判の席に着かなければならない。Sさんご夫妻は、底知れぬ怒りと絶望感に苛まれました。
困難な訴訟を経て、和解金110万円を獲得
「このままでは泣き寝入りだ」。そう考えたご主人は、すぐに弁護士に依頼し、裁判で争うことを決意します。
「弁護士さんには、相手から訴えられているという非常に不利な状況から対応してもらいました。過去のカルテの記載がこちらに不利に働くなど、訴訟は困難を極めたようです」
相手方の「賠償金ゼロ」という強硬な主張に対し、弁護士は諦めずに交渉を続けました。
「弁護士さんの粘り強い活動の結果、最終的に110万円の和解金を獲得することができました。もし依頼していなければ、本当に1円も受け取れなかったかもしれません。最悪の事態は避けられたと、心から感謝しています」
保険会社の「ゼロ主張」に屈しないために
「保険会社に『ゼロだ』と言われても、絶対に諦めてはいけません。相手はあらゆる理由をつけて支払いを拒もうとしてきます。私たちのように理不尽な主張をされたら、すぐに弁護士に相談してください。専門家の知識と交渉力が、必ず助けになるはずです」