予期せぬ出会い頭の衝突事故
ある年の冬、都内の道路を自動車で直進していたTさん(40代・男性)。T字路に差しかかったその時、予期せぬ事故に見舞われます。
「路地から出てきた車が、私の車の側面に衝突してきたんです。まさかぶつかってくるなんて、一瞬何が起きたか分かりませんでした」
突然の衝撃で、Tさんは首と腰に痛みを負ってしまいました(頸椎・腰椎捻挫)。
「すぐに病院に行き、そこから治療の日々が始まりました。仕事もあるのに、痛みのせいで思うように体が動きませんでした」
「役員は休業損害なし」の壁と募る不満
Tさんは一人で会社を経営する会社役員でした。そのため、治療による仕事への影響は深刻な悩みにつながります。
「治療で仕事に影響が出ているのに、インターネットで調べると『役員報酬は休業損害として認められにくい』と書かれていて、目の前が真っ暗になりました。過失割合も相手が95%とはいえ、自分にも5%あると言われ、納得できない気持ちでいっぱいでした」
相手方の保険会社と直接交渉することへの不安と、正当な補償を受けられないのではないかという焦りが、Tさんを苦しめました。
弁護士への相談と現実的な解決
「このままではダメだと思い、自動車保険についていた弁護士特約を使って専門家に相談することにしました。特に、休業損害を何とかしてほしいと強くお願いしました」
弁護士はすぐに相手方保険会社との交渉を開始。しかし、やはり役員報酬の休業損害の壁は厚いものでした。
「弁護士さんからも、法的に請求が難しいことは丁寧に説明されました。それでも諦めきれずにいたところ、保険会社から17万円ほどの休業損害が提示されたんです。しかし、私はその金額では納得できませんでした」
交渉はしばらく続きましたが、最終的には弁護士から立証の難しさについて改めて説明を受け、Tさんも現実を受け入れることを決意。最終的に示談が成立しました。
同じ状況で悩んでいる方へのメッセージ
「当初は『弁護士なら何とかしてくれるはずだ』という期待が大きかったのですが、法的に難しいことがあると分かりました。それでも、専門家が間に入って交渉し、客観的な事実を説明してくれたことで、最終的には納得して解決することができました。一人で抱え込まず、まずは専門家に相談し、正しい知識を得ることが大切だと思います」