突然の知らせと信じがたい施設の対応
2022年の冬、Vさん(90代・男性)は入所していた愛知県内の介護施設で転落し、その生涯を終えました。インタビューに答えてくださったのは、憔悴するご遺族を代表し、交渉の窓口を務めたVさんの息子様です。
「ある日の朝、施設から『お父様が転落したので病院に連れて行きたい』と連絡がありました。病院に駆けつけると、医師から『足と腰に多数の複雑骨折がある』と。そして翌日の早朝、父は息を引き取りました」
明らかになるずさんな管理体制への怒り
突然の父の死に、ご遺族は悲しみに暮れます。しかし、葬儀を終え施設に説明を求めたことで、その悲しみは怒りへと変わっていきました。
「葬儀の後、親族で施設に説明を求めました。そこで初めて、父に被害妄想があったこと、夜間の巡回を怠っていたこと、転落防止の対策がされていなかったことを知りました。発見後すぐに救急車を呼ばず、2時間も放置されていたことにも、言葉を失いました。なぜ、もっと早く対応してくれなかったのか。怒りと悲しみでいっぱいでした」
弁護士と共に求めた真実と正当な補償
「父はもう戻ってきません。憔悴しきった家族とも話し合い、せめて正当な補償を求めたいと弁護士さんに相談しました。施設とのやり取りは精神的に本当に辛かったので、すべてお任せできたのは助かりました」
弁護士は、ご遺族に代わって施設側の安全配慮義務違反を追及。刑事告訴も視野に入れながら、粘り強く交渉を進めました。
「弁護士さんが私たちの気持ちを汲んで、毅然とした態度で交渉してくれました。最終的に、施設側も責任を認め、示談に応じることになりました。父の無念を少しでも晴らすことができたと思います」
同じ状況で悩んでいる方へのメッセージ
「大切な家族を突然失った悲しみは癒えません。ましてや、信頼していた施設での事故となれば、悔やんでも悔やみきれないでしょう。私たち遺族だけでは、施設のような大きな組織を相手に話を進めるのは困難でした。専門家である弁護士さんの力がなければ、真実が曖昧なまま終わっていたかもしれません。納得できないと感じたら、諦めずに相談することが大切だと思います」