施設での転落事故、母との突然の別れ
ある年の秋、埼玉県内の施設で悲劇は起きました。Nさんの娘様のお母様、Nさん(80代)が入浴介助中にベッドから転落。スタッフが目を離したわずかな隙に頭を強打し、急性硬膜下血腫で帰らぬ人となったのです。
「認知症があり、体の自由も利かない母でした。以前にも転倒があったと聞いていたので、なぜ対策してくれなかったのかと悔しい思いでいっぱいです」と、Nさんの娘様は当時の心境を語ります。
賠償交渉の壁と、非協力的な親族
Nさんの娘様は、施設側の責任を明らかにしたいと考えましたが、具体的な賠償金の提示はありませんでした。
「施設側から謝罪はありましたが、施設側から提示される前に示談交渉をはじめた形です。その上、契約者である叔父が『もう終わったこと』と交渉に非協力的で…。入院費や葬儀代のこともあり、金銭的な不安も大きく、途方に暮れていました」
弁護士への依頼と、約890万円の獲得
埒が明かない状況を打開するため、Nさんの娘様は弁護士に依頼することを決意します。
「自分たちではどうにもならないと思い、専門家にお願いすることにしました」
弁護士は、施設の安全配慮義務違反を法的根拠に基づいて主張し、粘り強く交渉を重ねました。
「慰謝料だけでなく、母が生きていれば得られたはずの年金(死亡逸失利益)についても交渉してくださり、最終的に合計で約890万円の賠償金で示談することができました。提示がなかった状態から、ここまで正当な補償を得られたのは弁護士さんのおかげです」
同じ状況で悩んでいる方へのメッセージ
「大切な家族を失った上に、お金の話をするのは精神的にとても辛いことです。でも、泣き寝入りしてはいけないと思います。私たちは弁護士さんに依頼したことで、施設の責任を金銭的な補償という形で問うことができました。納得できないと感じたら、一人で悩まず、まずは専門家に相談することが解決への第一歩だと思います」