突然のひき逃げ事故と癒えない怪我
ある年の暮れ、高校生のWさん(10代・女性)は、都内の歩道を歩行中に信じられない事故に遭いました。
「娘がインターン先に向かう途中、歩道を歩いていたら、前から来た車に左肩をドアミラーでぶつけられたんです。車はそのまま走り去ってしまいました」
そう語るのはWさんのお父様です。幸い、近くにいた方の通報と防犯カメラのおかげで加害者は特定されましたが、Wさんは左腕を骨折する大怪我を負いました。
「相手は『気づかなかった』と主張していたそうです。娘は腕にひびが入り、本当に痛そうでした」
長引くリハビリと保険会社への不信感
Wさんは懸命に治療を続けましたが、回復への道のりは平坦ではありませんでした。
「骨折自体は2ヶ月ほどで治ったのですが、そこから筋力や握力がなかなか元に戻らなくて。結局、7ヶ月近くリハビリを続けることになりました。勉強や部活動にも影響が出て、娘も本当につらそうでした」
治療が終わりに近づいた頃、加害者側の保険会社から示談金の提示がありましたが、その内容にお父様は疑問を抱きます。
「提示された慰謝料額を見て、これで終わりなのかと愕然としました。ひき逃げされた精神的なショックや、長期間のリハビリで娘が苦しんだことを考えると、到底納得できる金額ではありませんでした」
弁護士への相談と正当な補償の実現
保険会社との交渉に限界を感じたお父様は、弁護士に相談することを決意します。
「私自身、仕事で保険の知識は多少ありましたが、これは専門家にお願いするべきだと感じました。自動車保険の弁護士特約があったので、すぐに相談しました」
依頼を受けた弁護士は、Wさん側の主張を整理し、保険会社との交渉に臨みました。
「弁護士さんは、ひき逃げされた精神的苦痛や、医師から2週間安静にするよう言われていた事実を『入院相当』として強く主張してくれました。その結果、慰謝料を裁判で使われる基準で計算し直してもらうことができ、最終的な示談金は当初の提示額から倍になりました。本当に感謝しています」
同じ状況で悩んでいる方へのメッセージ
「事故の被害者が、加害者側の保険会社と対等に交渉するのは本当に難しいことです。特に、子どもが被害に遭うと、親としては冷静でいられません。保険会社の提示額を鵜呑みにせず、少しでも疑問に思ったら、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。子どもの将来のためにも、正しい補償を受ける権利があると思います」