突然の自損事故、失われた腕の機能
Tさん(40代・男性)の日常は、ある年の夏の夕方、一変しました。愛知県内で仕事を終え、車で帰宅途中、ハンドル操作を誤りガードレールに衝突する自損事故を起こしてしまったのです。
「一瞬のことで、気づいた時には左腕がとんでもないことになっていました。開放骨折で、皮膚も移植しなければならないほどの大怪我でした。顔もひどく切り、耳たぶも…」
Tさんは約2か月の入院と、7回にも及ぶ手術を乗り越えました。しかし、懸命な治療の甲斐なく、腕には偽関節や変形障害といった重い後遺症が残ってしまいました。
後遺障害12級認定と、保険会社からの提示への苛立ち
治療を終え、Tさんの後遺障害は併合12級8号と認定されました。しかし、ご自身が加入していた保険会社から提示された内容に、Tさんは大きな不満を感じます。
「腕の痛みはずっと残っていて、仕事が建設業なので力仕事が全くできなくなってしまいました。仕事への影響がとても大きいのに、将来の収入減を補う『逸失利益』が10年分しか計算されていなかったんです。この体で、10年で納得なんて到底できませんでした」
保険会社との交渉は専門的で、自分一人ではどうにもならない。Tさんは専門家への相談を決意します。
弁護士への依頼と、未来を取り戻すための交渉
Tさんは弁護士に相談し、逸失利益の算定期間について交渉を依頼しました。
「弁護士特約が使えず自己負担になりましたが、この先の人生を考えれば、ここで諦めるわけにはいきませんでした。弁護士さんは、私の状況を理解し、すぐに動いてくれました」
弁護士が介入し、Tさんの仕事への影響の大きさを具体的に主張した結果、交渉はわずか1か月ほどで妥結。逸失利益の算定期間は、保険会社の当初の提示から5年延長されることになりました。
「最終的に、後遺症に関する補償額を大幅に増額していただき、示談することができました。専門家にお願いして、本当に良かったです」
同じ状況で悩んでいる方へのメッセージ
「自損事故だからと諦めてはいけません。特に後遺症が残り、将来の仕事に影響が出るような場合は、保険会社から提示された金額が適切かしっかり確認するべきです。私のように、交渉次第で結果が大きく変わることもあります。納得できないと感じたら、一度弁護士に相談してみることを強くお勧めします」