失われた記憶と突然の入院生活
「ある年の初夏、東京都内で自転車に乗って勤務先に向かう途中でした。信号のある交差点で、ごみ収集車に轢かれたそうです。私自身、事故当時の記憶が全くないんです」
そう語るのは、当時都内にお住まいだったSさん(40代・男性)。この事故でSさんは外傷性くも膜下出血、脳挫傷など、頭に深刻なダメージを負いました。
「気がついたら病院のベッドの上でした。なぜここにいるのかも分からず、何度も逃げ出そうとしたと後から聞きました。1ヶ月近く意識がもうろうとしていたようです」
Sさんは約4ヶ月にわたる2つの病院での入院生活を余儀なくされました。
キャリアの断絶と保険会社の主張
「退院後、勤めていたIT関係の会社に戻ろうとしましたが、記憶力に自信が持てず、とても仕事を続けられる状態ではありませんでした。結局、退職せざるを得ませんでした」
慣れ親しんだ仕事を失い、Sさんは将来への大きな不安を抱えていました。さらに、相手方の保険会社の対応がSさんを追い詰めます。
「相手の保険会社は、ドライブレコーダーの映像を根拠に、こちら側の過失が6割だと主張してきました。事故の記憶がない私には、それが妥当なのかも判断できません。家族に連絡が来るようになり、このままではいけないと焦りを感じました」
弁護士依頼と後遺障害5級の認定
「このままではいけないと思い、弁護士さんに相談することにしました。記憶が曖昧なことや、仕事に復帰できないほどの後遺症が残っていることを伝えました」
Sさんの依頼を受けた弁護士は、高次脳機能障害に詳しい専門のクリニックでの検査を手配し、後遺障害の申請を行いました。
「その結果、『神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの』として、後遺障害等級5級2号が認定されました。自分ではどうしていいか分からなかったので、本当に助かりました」
その後、示談交渉もすべて弁護士に一任。保険会社と直接話すストレスから解放され、Sさんは治療と新しい生活に専念することができました。
同じ状況で悩んでいる方へのメッセージ
「事故で人生が大きく変わってしまいました。記憶を失い、仕事も失い、本当にどん底でした。でも、専門家である弁護士さんにお願いしたことで、後遺障害等級の認定という正当な評価を得ることができました。もし事故に遭って、自分ではどうにもできないと感じたら、一人で抱え込まずに、すぐに相談することをおすすめします」