介護施設で起きた悪夢のような事故
ある年の秋、大阪府内の有料老人施設で暮らすKさん(70代・女性)に事故が起きました。インタビューに答えてくれたのは、息子さんです。
「施設から『ベッドでのオムツ交換中に、お母様がベッドからずり落ちました』と連絡がありました。要介護5の母が、です。翌日には膝が腫れ、救急搬送した結果、左膝関節大腿部骨折と診断されました」
Kさんは手術を受けましたが、肺炎を併発し、入院生活は長引くことになりました。
賠償金ゼロ?施設側の不誠実な対応
事故当初、施設側は「全面的に責任を認め、速やかに賠償する」と話していました。しかし、具体的な補償の話になると、その態度は一変します。
「賠償金の相場も知りたくて相談したのですが、施設側からは何の提示もありませんでした。それどころか、『まずそちらから請求額を出してください。それを見て検討します』と言われる始末です。一体どうすればいいのか、本当に困り果てていました」
息子さんは、施設側から提示される前に示談交渉をはじめるしかない状況に追い込まれました。
弁護士介入で110万円獲得、そして示談へ
このままでは埒が明かないと、息子さんは弁護士に正式に依頼することを決断しました。
「母本人が意思表示できる状態ではなかったので、成年後見の申し立てから弁護士さんにお願いしました。その上で、施設側との交渉をすべて任せることにしたんです」
弁護士が間に入り、治療費や慰謝料など、正当な賠償額を算出して施設側に請求。粘り強い交渉が行われました。
「最終的に、賠償金として110万円を受け取ることで示談が成立しました。提示が全くなかった状態から、これだけの金額を認めてもらえたのは、弁護士さんのおかげです。本当に感謝しています」
同じ状況で悩んでいる方へのメッセージ
「介護施設での事故で、相手方が『責任を認める』と言っていても、いざお金の話になると態度を変えることがあります。提示がなかったり、請求方法が分からなかったりしたら、迷わず弁護士さんに相談してください。私たち家族だけでは到底無理でした。専門家に任せるのが一番の解決策だと思います」